2006年 11月 12日
みらいとし |
しばらく前から、というかもう随分と前から、大都市郊外や地方都市の商店街は地盤沈下し続けています。要因は個別には複合的なものでしょうが、最大の理由はいずこも同じ、その商圏を大手資本による大型スーパーが、大量生産、大量流通、大量消費のメカニズムでもってコスト競争に勝利し、席巻したことでしょう。
昔ながらの地縁血縁に根差した、或いは家族経営の小さな商店は、価格についての自由競争では劣るため、多くの商店街はシャッター通りになり、空き店舗の列になり、またはなりつつあります。
ところで、これもまたしばらく前からのことですが、人口の急激で不可逆的な減少も全国的に進んでいます。このまま進んでいけば、割と近い将来、様々な影響が顕在化してくるといわれています。
例えば、人口減少が大都市の中心部にも郊外にも等しく進んだとき、郊外の裕福層はより生活の利便性を求めて空いた中心部へ移動し始めます。特に高齢化が進めば、より利便性の追及はシビアになるでしょう。
そのとき、郊外はどうなるか。
裕福層が中心部に移動すれば、郊外の人口減少は中心部に比べ更に加速します。
ある程度以上、人口が減少したとき(それほど遠くない将来)、郊外の、大量流通で成立していた大型店舗は、その商圏でビジネスが成立しなくなります。
地縁も血縁もない、その地域に何のゆかりもない大手資本は、当然その大型スーパーを撤退させるでしょう。
後に残るのは、都心に移ることのできない(あるいは移りたくない)住人達と、空き家だらけの住宅街、そしてつぶれた商店の並ぶ商店街の残がいです。
同時に、人口減少による労働力の減少を補うために、この国も移民を受け入れざるを得ないことも自明の理です。そうした移民をきちんと受け入れる体制で迎えることができない場合、当然そうした(安い)郊外の空き家に言葉も通じない移民が住み着いて、色々な軋轢が地域に生じていくこともおおいにあり得ることです。
地域の商店街に、新しい努力を求められていることは、確かかもしれません。けれども消費者にとっても、地元の商店にこだわることは、決してありきたりなノスタルジーなどではなく、未来へと続く自分達やその子孫の、住み慣れたまちの暮らしのために、なされねばならない当然の努力なのではないかと思います。
地域に根差したいえづくりとは、地域づくり、まちづくりでもあると考えています。
(上記内容は、私の師匠の研究室がまとめた雑誌「JA2006秋号」によっています。縮小する都市の戦略について興味のある方は、是非御一読下さい。)
昔ながらの地縁血縁に根差した、或いは家族経営の小さな商店は、価格についての自由競争では劣るため、多くの商店街はシャッター通りになり、空き店舗の列になり、またはなりつつあります。
ところで、これもまたしばらく前からのことですが、人口の急激で不可逆的な減少も全国的に進んでいます。このまま進んでいけば、割と近い将来、様々な影響が顕在化してくるといわれています。
例えば、人口減少が大都市の中心部にも郊外にも等しく進んだとき、郊外の裕福層はより生活の利便性を求めて空いた中心部へ移動し始めます。特に高齢化が進めば、より利便性の追及はシビアになるでしょう。
そのとき、郊外はどうなるか。
裕福層が中心部に移動すれば、郊外の人口減少は中心部に比べ更に加速します。
ある程度以上、人口が減少したとき(それほど遠くない将来)、郊外の、大量流通で成立していた大型店舗は、その商圏でビジネスが成立しなくなります。
地縁も血縁もない、その地域に何のゆかりもない大手資本は、当然その大型スーパーを撤退させるでしょう。
後に残るのは、都心に移ることのできない(あるいは移りたくない)住人達と、空き家だらけの住宅街、そしてつぶれた商店の並ぶ商店街の残がいです。
同時に、人口減少による労働力の減少を補うために、この国も移民を受け入れざるを得ないことも自明の理です。そうした移民をきちんと受け入れる体制で迎えることができない場合、当然そうした(安い)郊外の空き家に言葉も通じない移民が住み着いて、色々な軋轢が地域に生じていくこともおおいにあり得ることです。
地域の商店街に、新しい努力を求められていることは、確かかもしれません。けれども消費者にとっても、地元の商店にこだわることは、決してありきたりなノスタルジーなどではなく、未来へと続く自分達やその子孫の、住み慣れたまちの暮らしのために、なされねばならない当然の努力なのではないかと思います。
地域に根差したいえづくりとは、地域づくり、まちづくりでもあると考えています。
(上記内容は、私の師匠の研究室がまとめた雑誌「JA2006秋号」によっています。縮小する都市の戦略について興味のある方は、是非御一読下さい。)
by ryo-oguchi
| 2006-11-12 00:39
| まちのはなし