2007年 11月 26日
バックステージツアー |
先日帝国劇場に観劇にでかけた折のこと、協賛企業のお楽しみ抽選会とかでバックステージツアーに当たってしまい、劇場の裏方をちょこっと覗くことができました。
「出待ち」されている熱心なファンの方々をかきわけるようにして、帝劇ビルの地下の楽屋入口を入って行くと、警備員の詰所らしきブースが2カ所、奥へ伸びる廊下をクランクさせるように配置されています。
闖入者を遮るにも奥を見通せないようにするにも、城下町の道のようなこうした動線の配慮は有効ではありますが、廊下をこんなに細くして大丈夫なのかと気になりつつ突き当たりまで行くと階段があります。
階段の下にある神棚の前には、芸能界に疎くてもわかる俳優さん(中村吉右衛門とか)の名前入りの灯明がずらっと並んで吊るされており、この劇場の格式と歴史を感じさせます。
階段を一階分上がるとステージのレベルです。階段の中でスリッパに履き替えてステージの下手に入るドアをくぐるとき、ドア枠の見込みが幅10センチくらいの鏡になっていましたが、これが何の為のものかは浅学にしてわかりません。
ステージと舞台脇を見学してのすごいなあと思ったことは3つ。
ひとつめはステージから見たときの客席の近さ。客席の平面形状はステージを短辺にした台形ですから、逆パースの関係で近く感じるのは空間ボリュームの点から至極当たり前ですが、それにしても2階席すらも指呼の間のようです。マウンドがちゃんとある野球のグラウンドでピッチャープレートに立つと、意外にホームが近く感じるのに似た感覚のように思いました。
もうひとつは、裏側から見る舞台機構、舞台装置は意外と素朴。装置のたぐいは客席と反対側は当然のことながら材木やらの下地むき出しですから、そうしたつくられ方までわかってしまうような現実の有様と客席から見たときの劇のなかの、ここにない「場」をつくる有様とのコントラストは、想像を超えるものがありました。
最後は、一つの舞台をつくるための構成要素が如何に多くいかに複雑であるか、ということ。様々な舞台装置、何十本ものバトン、映像、音声、俳優さん達の動き。これらをすべて計画した通り動かして劇を進めていくシステムがどのようなものか、見当がつきません。手足が十本目が7つくらいないととてもやってけそうにありませんが、紹介された舞台監督さんは見かけは普通に見えた分、すごみがありました。
舞台の上のことにせよ、現実の建築空間にせよ、よい「場」を生み出すのは、気の遠くなるようなディテールの積み重ねなのだな、と思いました。
「出待ち」されている熱心なファンの方々をかきわけるようにして、帝劇ビルの地下の楽屋入口を入って行くと、警備員の詰所らしきブースが2カ所、奥へ伸びる廊下をクランクさせるように配置されています。
闖入者を遮るにも奥を見通せないようにするにも、城下町の道のようなこうした動線の配慮は有効ではありますが、廊下をこんなに細くして大丈夫なのかと気になりつつ突き当たりまで行くと階段があります。
階段の下にある神棚の前には、芸能界に疎くてもわかる俳優さん(中村吉右衛門とか)の名前入りの灯明がずらっと並んで吊るされており、この劇場の格式と歴史を感じさせます。
階段を一階分上がるとステージのレベルです。階段の中でスリッパに履き替えてステージの下手に入るドアをくぐるとき、ドア枠の見込みが幅10センチくらいの鏡になっていましたが、これが何の為のものかは浅学にしてわかりません。
ステージと舞台脇を見学してのすごいなあと思ったことは3つ。
ひとつめはステージから見たときの客席の近さ。客席の平面形状はステージを短辺にした台形ですから、逆パースの関係で近く感じるのは空間ボリュームの点から至極当たり前ですが、それにしても2階席すらも指呼の間のようです。マウンドがちゃんとある野球のグラウンドでピッチャープレートに立つと、意外にホームが近く感じるのに似た感覚のように思いました。
もうひとつは、裏側から見る舞台機構、舞台装置は意外と素朴。装置のたぐいは客席と反対側は当然のことながら材木やらの下地むき出しですから、そうしたつくられ方までわかってしまうような現実の有様と客席から見たときの劇のなかの、ここにない「場」をつくる有様とのコントラストは、想像を超えるものがありました。
最後は、一つの舞台をつくるための構成要素が如何に多くいかに複雑であるか、ということ。様々な舞台装置、何十本ものバトン、映像、音声、俳優さん達の動き。これらをすべて計画した通り動かして劇を進めていくシステムがどのようなものか、見当がつきません。手足が十本目が7つくらいないととてもやってけそうにありませんが、紹介された舞台監督さんは見かけは普通に見えた分、すごみがありました。
舞台の上のことにせよ、現実の建築空間にせよ、よい「場」を生み出すのは、気の遠くなるようなディテールの積み重ねなのだな、と思いました。
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by ryo-oguchi
| 2007-11-26 20:07