2006年 12月 19日
東京カテドラルとHYVINKAA CHURCH |
先日、東京カテドラルで行われたピアノコンサートに出かけてきました。
東京カテドラルは、目白から音羽の谷に下るあたり、椿山荘の向かいの大きな教会です。
建築の世界では知らぬもののない丹下健三先生の設計で、1964年に建てられました。
外見は8枚のHPシェルを組み合わせたシンプルで力強い造形で、十字架形のトップライトが象徴的です。こうした模型のスケールで特徴的な形状の建物は、中に入るとどうということのないものも少なくないのですが、このカテドラルは内部空間も独特の雰囲気を持っています。
外見のシンプルさとは対照的に、内部は上の方が絞られていくような上昇性があり、視界に全体をとらえきれないボリュームの巨大さ、コンクリート打ち放しの粗い質感とも相まって、大きな洞窟の底にいるような、自然の荘厳さを感じられるような空気があります。
そこでピアノを聴きました。
コンサートホールを設計するときは、音楽に合わせて残響時間はどのくらい、その為の吸音率は…ということを考えますが、そういう意味では、カテドラルは巨大などんがらですから、決して相応しい建物とはいえません。
けれども、前述のような、非常に個性的で、ひとの情緒にうったえかけてくる「場」で、音楽を聴くことは、大きな深い空間全体に音が満ち溢れて、そこに浸っているような心地がして、(はなやかなピアニストの演奏とも相まって)とても気持ちのよい感覚でした。
余談ですが、外から見ると単純な形で、中に入るとコンクリート打ち放しで上昇性があって…という建築として、Aarno RuusuvuoriのHYVINKAA CHURCH(1961)に行った時のことが思い起こされました。
フィンランドのヘルシンキ近郊の教会で、外から見るとピラミッドをかみ合わせたような単純な形状で、でも内部はまた独特の雰囲気を持っていました。
(写真では全然似ていませんけれど。)
東京カテドラルは、目白から音羽の谷に下るあたり、椿山荘の向かいの大きな教会です。
建築の世界では知らぬもののない丹下健三先生の設計で、1964年に建てられました。
外見は8枚のHPシェルを組み合わせたシンプルで力強い造形で、十字架形のトップライトが象徴的です。こうした模型のスケールで特徴的な形状の建物は、中に入るとどうということのないものも少なくないのですが、このカテドラルは内部空間も独特の雰囲気を持っています。
外見のシンプルさとは対照的に、内部は上の方が絞られていくような上昇性があり、視界に全体をとらえきれないボリュームの巨大さ、コンクリート打ち放しの粗い質感とも相まって、大きな洞窟の底にいるような、自然の荘厳さを感じられるような空気があります。
そこでピアノを聴きました。
コンサートホールを設計するときは、音楽に合わせて残響時間はどのくらい、その為の吸音率は…ということを考えますが、そういう意味では、カテドラルは巨大などんがらですから、決して相応しい建物とはいえません。
けれども、前述のような、非常に個性的で、ひとの情緒にうったえかけてくる「場」で、音楽を聴くことは、大きな深い空間全体に音が満ち溢れて、そこに浸っているような心地がして、(はなやかなピアニストの演奏とも相まって)とても気持ちのよい感覚でした。
余談ですが、外から見ると単純な形で、中に入るとコンクリート打ち放しで上昇性があって…という建築として、Aarno RuusuvuoriのHYVINKAA CHURCH(1961)に行った時のことが思い起こされました。
フィンランドのヘルシンキ近郊の教会で、外から見るとピラミッドをかみ合わせたような単純な形状で、でも内部はまた独特の雰囲気を持っていました。
(写真では全然似ていませんけれど。)
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by ryo-oguchi
| 2006-12-19 13:10
| 建築のはなし